はじめに
「刊行ペース検索」というサービスを作りました.これはコミックや小説などの過去の巻の発売日を検索し,まとめて表示するサービスです.- いつごろKindle化されるか?
- 新刊はいつ頃発売されるか?
しかし,こういう「意外となかったけど便利系」のサービスは,能動的に探しにくるユーザーを期待できないので,放置しても誰も来ないです.自分のために作り,レンタルサーバーの余剰リソースで運用しているサービスなので誰も来なくても特に問題はないのですが,誰も使ってくれないと寂しくなるのが人情です.
というわけで,前々からやってみたかった Google の AdWords での宣伝を試してみました.
AdWordsの設定
キーワードの選択
AdWordsはGoogleで検索する時,キーワードに応じて検索結果に混ざって表示されているあの広告を出稿するためのサービスです.AdWordsに出稿する上では,どのキーワードで検索しているユーザーをターゲットにするか?ということが最大の問題ですが,- 競合する広告主の少なさ(安価に広告を出せる)
- 検索者が抱えている問題を「刊行ペース検索」が解決できる可能性の大きさ
(クリックあたりで料金が発生するので,「刊行ペース検索」の潜在的顧客だけにクリックしてほしい)
予算の設定
つぎの問題は,いくらかけて何人くらいのお客さんを呼び込むかということです.AdWordsでは1クリックあたりに支払う金額の上限と1日当たりの予算の上限を設定することができますが,どの程度の投資が効率的かはキーワードにも強く依存し,初めてだと見当もつきません.これについては,Googleが提供している「キーワードプランナー」というツールで,どのキーワードにいくら払えば,だいたいどれくらいのアクセスを呼び込めそうか?ということが予想できるようになっています.
(このツールが意外とおもしろいので,宣伝するべき適当なサイトをお持ちの方は,このツールで遊ぶために一度AdWordsを使ってみるのもいいような気がします.)
調べてみた結果「Kindle版」のキーワードだと,限界まで投資しても15人/日くらいしか呼び込めなさそうだったので,10人/日程度のペースでサイトに誘導するべく500円/日,30円/クリックを上限に広告を出稿することにしました.
AdWordsの効果
1か月ほどAdWordsで宣伝してみた感想は以下のような感じです.
集客できた
途中いろいろと調整しましたが,だいたい10人/日くらいのペースで集客できて費用は200円/日くらいでした.特に友達でもない人を10人もサイトに連れてくるのは実際なかなか大変なので,コストパフォーマンスは悪くないと思います.
テスターを確保するツールとして意外と優秀だった
ぬるいサンデープログラマーなので,テスターを雇うことは考えたこともなかったですが,AdWordsで誘致したお客さんの行動はサイトの構造や説明文のブラッシュアップを行う上でとても参考になりました.たとえば,- 雑誌で検索して失敗して帰る人が多い
- 途中で出版社が変わるコミックシリーズがそれなりにある
- 作者の刊行ペースを検索したい人が結構いる
- スマホでのアクセスが多い(大きい表はイマイチっぽい)
- (Kindleをターゲットにしているので当然かもですが)
普通のサイトよりタブレットでのアクセスがかなり多い
といったことは,AdWordsで流入したユーザーのログを見てはじめて認識できました.
いつもと違う人が来る
大抵,自分が作ったサイトは自分に似た属性の人が来るものですが,広告で集客すると傾向が変わります.今回の場合,想定していたよりも年配・女性の方を多く集客しているように思いました.
自分の想定が若年・男性にバイアスしているのか,広告をクリックする寛容な人が年配・女性に多いのかちょっと判断つきかねますが,自分と属性が離れた人を集めるのは普通難しいので,使いどころによってはすごく便利かもしれません.
おわりに
というわけで,意外と得るものが多かったAdWordsでの宣伝ですが,そろそろ利用パターンが出尽くしてリピーターが増えてきた感があるのと,通常の検索流入も増えてきたので打ち切ろうかと思っています.個人でWebサービスを開発した場合,お金を払って宣伝することにハードルを感じる人が多いのではないかと思いますが,AdWordsでの宣伝はGoogleの技術の一端に触れることもでき,意外と楽しいのでおすすめです.
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